2017年8月11日「山の日」を迎え、上高地では焼岳の噴気と地震がいつにない緊張感をもたらしています。
上高地から見える活火山焼岳。
上高地では毎日「今日は焼岳の噴煙が見えますね」という会話が聞こえてきます。
その焼岳と上高地についてまとめました。
今回の焼岳の噴気と地震の情報
事実:2017年8月10日午前0時48分に白い噴気(水蒸気)が約100mの高さまで上がっていることを確認
焼岳には常時噴気を輩出している噴気孔が山頂付近に4か所あるが、今回は別の場所から噴出。
場所:焼岳山頂から西側約400m付近
噴気:焼岳の地中の水蒸気が熱せられて水蒸気となって地上に噴出しているもの
ちなみに水蒸気噴火とは、そこに火山岩や火山灰などが混じって噴出(噴火)するものです
地震:山頂近くの観測点で空気振動を伴う地震を6回観測
焼岳で自身の常時観測を2011年より始めて、空気振動を伴う地震は初めてとのこと
焼岳とは
焼岳:北アルプスに属する活火山
標高:2455m

観光:日本百名山の一つで上高地から日帰り登山でき、しかも活火山であることから人気がある。
気象庁:常時観測対象の火山の一つ
焼岳のマグマ噴火:約2300年前
水蒸気噴火:1900年以降継続中
気象庁|焼岳 – 気象庁ホームページ
概要. 北から割谷山(わるだにやま)、焼岳、白谷山(しらたにやま)、アカンダナ山と並ぶ焼岳火山群のうち、焼岳のみが現在も活動中。焼岳は安山岩・デイサイトの成層火山、
山頂部は溶岩ドームで、山腹には火砕流堆積物を伴う。
気象庁|焼岳の火山観測データ – 気象庁ホームページ
焼岳における火山観測データを掲載しています。 日別地震回数 火山性地震の日別回数を過去約2か月分グラフと表で掲載します。 活動経過グラフ 2010年以降の火山活動の経過を複数の項目についてグラフで掲載します。 ※ データは速報値が含まれており、 …
焼岳噴火で上高地の大正池が生まれた
1915年6月6日水蒸気噴火。泥流が梓川を堰き止め、大正池を形成した。


噴火だけでない、地震がもたらす上高地への影響
上高地周辺では、花崗岩が多くみられます。
花崗岩は風化が進むとパラパラと人間の手でも細かく砂のようになる脆い岩です。
また上高地の地層は古代上高地湖の堆積物や、火山の噴出物でできた地層が折り重なってできた地層です。
こうした地層では、地震による揺れで斜面崩壊を引き起こしやすいので、結果として大きな土砂災害となります。
上高地への唯一のアクセス(車道)が通行止めになるリスクは極めて高いことは覚悟しておく必要があります。